■ライオンズクラブ国際協会の沿革
ライオンズクラブ国際協会は1917年アメリカ合衆国シカゴ市で誕生した。
創立者メルビン・ジョーンズは当時、シカゴ市において保険代理店を経営し、ある実業団体の会員として市の有力者たちと交際しているうちに、こうした集まりが単なる商売上または社交場の集まりにとどまらず、社会のためになにか有益な団体となり得ないだろうかという夢をいだきはじめた。
そこでメルビン・ジョーンズは、合衆国内の各種団体に呼びかけて、各地の指導的立場にある人々による社会奉仕団体の結成をもくろんだのである。
かくして1917年6月7日、シカゴ市のホテル・ラサールのイースト・ルームで、合衆国の各地から集まった約20名の代表者が最初の会合を行い、そしてその年の10月8日から10日までの3日間、22クラブの代表者36名がダラス市のアドルファス・ホテルに集まって第1回の大会を開催し、ここに正式に「ライオンズクラブ協会」の名称を採用したのである(初代会長W.P.ウッズ)。
1920年3月12日、カナダ・オンタリオのウィンザー市にアメリカ合衆国外の第1番目のクラブが結成され、協会の名称も「国際協会」となった。
以来、メルビン・ジョーンズが協会とともに歩んだ半世紀の間に、協会の目的と綱領に対する共鳴は全世界に広がり、現在では世界185ヶ国140万を超える会員を擁する世界最大の国際的社会奉仕団体となった。
■ライオンズクラブ国際協会の組織
「ライオンズクラブ国際協会(The International Association of Lions Clubs)」(通称はLions Clubs
International)の本部はアメリカ、イリノイ州にある。
すべてのライオンズクラブは、ライオンズクラブ国際協会からチャーター(認証)されて初めて、国際協会の一単位クラブとなるのであるが、同時に国際協会会則および付則を遵守する義務を負うことになる。
ライオンズクラブは単なる社交クラブでもなく、また慈善団体でもない。 各ライオンズクラブは国際協会を構成する一単位で、クラブ会員の力を結集して諸般のアクティビティを実行する社会奉仕団体である。
会員は、善良な徳性の持ち主で、地域社会において声望のある成人の中から厳選され、入会は招請のみによる。
■ライオンズクラブ国際協会と準地区
全世界44,000のライオンズクラブは741の地区(単一、準、暫定)に分けられ、各地区はその年次大会で地区ガバナーを選出する。
地区ガバナーは国際協会の役員で、国際理事会の一般的監督のもとに、所属地区において国際協会を代表する。
その任期は、国際年次大会閉会時から、次回国際年次大会閉会時までである。
地区ガバナーは地区をいくつかのリジョンに、リジョンをさらにいくつかのゾーンに分けて、それぞれリジョン・チェアマン、ゾーン・チェアマンを任命する。 また地区ガバナーは前地区ガバナー、副地区ガバナー、キャビネット幹事、会計、リジョン・チェアマン、ゾーン・チェアマン、地区委員長などをもってキャビネットを構成し、その議長となる。
なお、現在日本は32の準地区から成り立っており、尾道せとうちライオンズクラブが所属する336-C地区もその一つである。
■ライオンズクラブ国際協会の目的
- 世界の人々の間に相互理解の精神をつちかい発展させる。
- よい施政とよい公民の原則を高揚する。
- 地域社会の生活、文化、福祉および公徳心の向上に積極的関心を示す。
- 友情、親善、相互理解のきずなによってクラブ間の融和をはかる。
- 一般に関心のあるすべての問題を自由に討論できる場を設ける。ただし政党、宗派の問題をクラブ会員は討論してはならない。
- 奉仕の心を持つ人々が個人の経済報酬なしに社会に奉仕するようはげまし、また、商業、工業、専門職業、公共事業および個人事業の能率化をはかり、道徳水準をさらに高める。
■スローガン
Liberty, Intelligence, Our Nation's
Safety
(自由を守り、知性を重んじ、われわれの国の安全をはかる)
■モットー
We Serve(われわれは奉仕する)
■ライオンズの誓い
われわれは知性を高め、友愛と相互理解の精神を養い、平和と自由を守り、社会奉仕に精進する
■ライオンズ道徳綱領
- 職業に対する不断の努力が正しく賞賛されるように心がけ、自己の職業の尊さを確信すること。
- 事業を成功させて、適正な報酬や利益は受けるべきであるが、自己の立場を不当に利用したり、人に疑われる行いをして自尊心を傷つけてまでも利益や成功を求めないこと
- 事業を遂行するにあたっては、他人の事業を妨害しないように心がけ、顧客や取引先に誠実であり、自己にも忠実であること。
- 世人に対する自己の立場や行いに疑いが生じたときは、世人の立場に立って解決にあたること。
- 真の友情は損得の上に築かれるものではなく、心と心のふれあいによるものであることを自覚し、手段としてではなく目的として友情をもつこと。
- 国家および地域社会に対する公民の義務を忘れず、かわらず忠誠を言動にあらわし、すすんで時間と労力と資力をささげること。
- 不幸な人には同情を、弱い人には助力を、貧しい人には私財を惜しまないこと。
- 批評は謙虚に、賞賛は惜しみなく、建設を旨として破壊をさけること。
|